お金をかけてホームページを作った。デザインもきれいに仕上がった。公開して数か月——問い合わせは、1件も来ない。「作っただけで終わってしまった」。この相談を、私は本当によく受けます。先に、いちばん大事なことをお伝えします。問い合わせが来ない原因は、たいていデザインではありません。だから、見た目を作り直しても解決しないことが多い。私自身、板金塗装の職人を15年やってからこの世界に来たので、「いい仕事をしているのに伝わらない」もどかしさは、肌で分かっているつもりです。この記事では、問い合わせが来ないサイトに共通する3つの理由と、お金をかける前に自分で確認できる手順をお話しします。売り込みはしません。読んで、自社のサイトを見直す材料にしてもらえたら十分です。なぜホームページを作っても問い合わせが来ないのか?理由は大きく3つです。①誰に向けた家なのかが決まっていない、②そもそも見つけられていない、③作ったあと誰も手を入れていない。この3つはどれか1つではなく、たいてい重なって起きています。順番も大事です。②を直しても①がズレていれば、来た人はそのまま帰ります。①→②→③の順で見てください。ちなみに、総務省の令和6年通信利用動向調査では、自社ホームページを開設している企業の割合は93.2%でした(※常用雇用者100人以上の企業が対象)。出典:令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)/総務省https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR202400_002.pdfつまり「ホームページがある」こと自体は、もう何の差別化にもなっていない、ということです。理由1:「誰に向けた家か」が決まっていないいちばん多い原因がこれです。サイトが、誰に何を伝えるためのものか決まっていない。なぜかというと、制作を頼むとき「うちの会社を紹介するページを作ってください」という頼み方になりがちだからです。そうすると、会社案内のパンフレットをそのままWebにしたものができあがります。パンフレットは、すでにあなたを知っている人が読むもの。初めての人が読んで動くようには作られていません。たとえば、来てほしいのが「近所で困っている社長」なのか「これから働きたい若い人」なのかで、載せるべきものは丸ごと変わります。前者なら対応エリアと実績と料金の目安。後者なら働いている人の顔と一日の流れと給料の話。両方を1ページに詰め込むと、どちらにも刺さらないサイトになります。確認のしかた:自社のトップページを開いて、「これは誰に向けた1枚か」を一言で言ってみてください。言えなければ、そこが原因です。理由2:そもそも見つけられていないサイトは、作っただけでは誰も来ません。建てた家に、道がつながっていない状態です。理由はシンプルで、Googleはできたばかりのサイトを「知らない」からです。会社名で検索すれば出てきます。でも、会社名を知っている人はもう見込み客ではありません。新しいお客さんは「会社名」ではなく「地域名+困りごと」で検索します。たとえば、あなたが探される言葉は「〇〇市 板金塗装」「〇〇町 求人 製造」といった言葉のはずです。そこで自社が出てこないなら、その人にとって自社は存在していないのと同じです。地域のお店・会社の場合、まず効くのはWebサイトよりGoogleビジネスプロフィール(Googleマップ)であることが多い。地図で上に出るかどうかが、そのまま電話の数になります。ここは無料で始められて、放置している会社がまだ多い場所です。確認のしかた:スマホで「地域名+自社のサービス」を検索してみてください。地図とサイト、どちらにも自社が出てこないなら、道がつながっていません。理由3:作って終わりで、誰も住んでいないサイトは、公開した日がスタートです。ゴールではありません。新しい情報が半年、1年と止まっているサイトは、見た人に「この会社、今も動いているのか?」と思わせます。これは検索の順位以前に、人の判断の話です。私はよく「飾り物の家ではなく、住めるサイトを作る」という言い方をします。飾り物は、きれいに建てて、それきり。住めるサイトは、実績が増えたら足す、求人を出したら載せる、よくある質問が増えたら書く。手が入っているサイトは、見た瞬間に分かります。そして、ここが本当は一番大事なところです。作った後に「今月の数字を見て、来月どうするか」を決める人がいるかどうか。業者が作って納品して終わり、社長は本業で手一杯、結果、誰も見ていない。そうやって止まるサイトを、私はたくさん見てきました。じゃあ、何から手をつければいいのかお金をかける前に、この順番で確認してください。3つとも自分でできます。1. 誰に向けた1枚かを言葉にするトップページを開いて「これは誰に向けたページか」を一言で書く。書けなければ、作り直す前にここを決める。2. 地域名で検索してみるスマホで「地域名+サービス名」を検索。地図に出るか、サイトが出るかを見る。出ないなら、まずGoogleビジネスプロフィールの整備から。無料です。3. 最終更新日を見る半年以上止まっているなら、サイトを作り直すより「毎月手を入れる仕組み」を先に決める。順番を飛ばして作り直すと、きれいになっただけの2軒目ができます。それがいちばんもったいない。よくある質問Q. ホームページを作り直せば問い合わせは増えますか?A. 増えないことのほうが多いです。原因が「誰に向けた1枚か決まっていない」「そもそも見つけられていない」場合、作り直しても同じ結果になります。まず上の3つを確認してください。Q. 何年も前のサイトのままです。まず何をすべきですか?A. 作り直しの前に、Googleビジネスプロフィール(Googleマップ)の整備をおすすめします。無料で、地域のお客さんに最も早く届く場所だからです。Q. Webのことが分からないのですが、相談してもいいですか?A. それで大丈夫です。分からないことを、あなたの言葉に翻訳して一緒に考えるのが私の仕事です。専門用語は使いません。Q. 相談したら売り込まれませんか?A. しません。必要のないものは売らない、を決めています。現状を整理するだけでも次の一歩が見えることは多いです。最後にきれいなサイトを作ることが目的なら、私に頼む必要はありません。私がやりたいのは、問い合わせが来て、人が採れて、売上が上がるところまで一緒に見届けることです。板金塗装の現場に15年いて、「いい仕事をしても伝わらなければ無いのと同じ」だと、身をもって知ったからです。自社のサイトを見て、「これは誰に向けた1枚だろう」と手が止まったら、そこが出発点です。整理するだけでも構いません。よければ、一度お話を聞かせてください。※本記事の無断転載・無断利用を禁じます。